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2007年5月12日 (土)

STAXイヤースピーカー用真空管ドライバ(3)

STAX推奨回路
STAXのドライバーは自作出来るらしいというところからSTAX SR-003購入に踏み切ったわけなのですが、いったいSTAX推奨回路ってどんな回路なんでしょうか。
070512stax_a_01こちらの回路図はSTAX SR-3(って39年前に発売ですか…私が生まる前ですね。)のマニュアルでは自作用「アンプ回路図A」として紹介されています。また、ネットでは既にLTspiceにて電気特性をシミュレーションされている方がいらっしゃいました。

Ear_Speaker_Driver
この方は凄いですね。定電流回路のシミュレーションも行った上で各回路の比較検討をされています。

でもこのSTAXの推奨回路、不思議な事にこのままの形で自作されたという方はシミュレーションされている方以外ではgoogleで検索してもなかなか見つけられません。どうやら以前はこの回路図で自作されたかたがいたらしいのですが、近年誰も作っていないのかもしれません。もしかして音悪すぎなのではないかと若干引っかかるものの、他の回路と比較すると部品点数も少ないですし、こちらの回路を作る事にしました。

といっても金銭的都合からスローペースです。前回失敗したショックもすっかり忘れたある日N氏に秋葉原のタクトというお店を教えてもらいました。こちらでは新品の12AX7、12AU7が売られていました。「そういえばSTAXの推奨回路では12AX7 × 2本、12AU7 × 2本だったなぁ」と思い出しました。しかもこの真空管はそれぞれ製造年月0606と0608と表示されています。ロシア製の2006年6月製造の真空管です。賞味期限(?)が切れてなさそうな気がしたのでついつい購入してしまいました。

し・か・し…
N氏「そういえば、○様に聞いたんだけど最近のロシア製の12AX7は音が悪いって…きっとこっちの真空管の方が音いいですよ。」
と、いかにも06年06月製造の真空管と比べると印刷もハゲ、あからさまに古くてボロボロにみえる高い国産の真空管を指さしています。
私「い、いや、もう。今買ったこれだけでいいですよ。お金無いし。」(後から言わなくてもいいのに…orz)

そんなこんなで真空管は手に入りましたが、まだ私には肝心のトランスがありません。このままではヒーター電源も、B電圧も、STAXのPROバイアスもかけられません。とはいえ、折角秋葉原に来たのですがお金がつきたためまた出直しです。
さてどうするか考えました。が、無い頭で考えてても仕方がないのでネットで検索をしたところ、トランスレスなるキーワードがひっかかりました。

ヒーター点火
ただ、12AX7 + 12AX7 + 12AU7 + 12AU7等のように直列にし、負荷抵抗を付けて100Vに直接つなごうとするとどうやら抵抗が熱を持ちすぎてしまうようです。
調べてみると…ヒーター電源は直列コンデンサによる点火が可能らしい事がわかりました。この場合熱はほとんど持たないですむようです。
直列コンデンサによるヒーター点火こちらの方のHPではすでに50V0.15Aの時の適正値を計算されていますが、12V+12V+12V+12Vで0.15Aの時のコンデンサの値を改めて計算すると
 Eac/Ih = √((1/2πfC)^2 + (Eh/Ih)^2)
 f=50Hz、Ih=0.15A、Eh=48v(12V x 4)、 またはIh=1.2A、Eh=6
 C(uF)=477/√(10000-Eh^2)=477/√(10000-48^2)=477/√(10000-2304) = 477/87.7 = 5.4uF
フィルムコンデンサが5.4uF(東日本の場合)あれば交流100Vからコンデンサによるヒータ点火が可能なようです。

高電圧バイアス
コッククロフト回路を含む各種整流回路について詳細に解説されてるページをみつけました。私のアンプ設計マニュアルいろんな整流回路の解説をされているのですが、こちらのコッククロフト回路によりAC100vからB電源やSTAX用の500V+αのPROバイアスを用意する事が可能なようです。

早速ラジオデパートに行き、お店の人と相談してみました。
私「真空管アンプでトランスレスでヒーター点火したいんで5.3〜5.4uFのフィルムコンデンサください」
海神「4.7uFと0.68uFの組み合わせか、xxuFとxxuFの組み合わせ(失念しました)となりますがどちらにしますか?」
私「4.7uFと0.68uFの方でお願いします。あ、手持ちがこれしかないんですけどおいくらですか?」
海神「全部でXXXX円になります。」
私「ではお願いします。でも…これだと下手をするとトランス使った方が安そうですね。」
海神「(苦笑)」

いや、ごめんなさい。余計な一言を口走っていました。
今回トランスレスにすると決めてしまったのは私です…

海神「感電に気をつけてくださいね。プラケースか木の箱を用意するといいですよ。」

海神無線の店長は余計な一言を宣う人間にも優しいかたでした。
しかし、ここの所ケースはYM-200の加工にむきになっていたので他のケースになりそうな物にはまだなんの穴空けもしていません。仕方がないので、前回実験用として穴を開けたYM-200の上半分のケースを使うこととしました。(爆)
しかし、ネットよく調べてみると電源トランスレスの場合にはシャシアースをした状態でコンセントにつなげると、1/2の確立で『ホット』につながり感電するとの事。
(だめです。YM-200の上半分はN氏よりすでに購入済でしたが可能な限り先人の知恵にはしたがっておくように気をつけましょう。)
慌てて東急ハンズに検電ドライバーなる物を買いに走りました。

ヒーター点火用のフィルムコンデンサとは別に耐圧250V47uFの電解コンデンサーをまとめて購入していました。
しかし、LTspiceにて47uFのコンデンサーを使用して4倍圧半波整流をシミュレーションしてみると負荷をかけるとどうにも電源電圧が500Vを超えません。orz
昇圧回路の電解コンデンサの容量に問題があるようです。47uFだと足りません。今の回路だと、
耐圧300V以上の100uFの電解コンデンサ4個
耐圧700〜900V程度の22uFの電解コンデンサ1個
耐圧700〜900V程度の47uFの電解コンデンサ2個
耐圧450V程度の22uFの電解コンデンサ2個
つまり耐圧420V100uFの電解コンデンサだと12個程度必要な勘定です。

070512stax_a_02結果、こんな回路を検討してみました。
回路図上で22uFとしている所は47uFを直列に2個、47uFとしている所は100uFを直列に2個です。

12AU7のB電源を100Vの倍圧整流(280V弱程度)とし、STAX PROバイアス(560V程度)だけ小さなコンデンサで4倍圧整流する事も考えてみたのですが、今度は回路が大きくなりすぎてYM-200に入りきらなくなる気もしてきました。
しかし耐圧が高く、大きいコンデンサ程高い事は身にしみて分かっています(涙)

そんな事を考えていると、どうやらN氏がタイミング良くT氏に部品やさんを教えてもらうということで出かける支度をしています。慌てて一緒に出かけました。
T氏に最後までお金残しておくように釘をさされつつ、初めに低価格で大容量のコンデンサのお店を紹介していただいたのですが、そう。今の私にとって真空管より大切な電解コンデンサーが目の前に(笑)。
勿論、いくら低価格とは言っても高価な買い物となってしまいましたが必要量最低限の分量がいきなり購入できました。
どうやら無理矢理トランスレスにしてももはやトランスを使うのとあまりコストがかわりません。いや、もう。このうなったら意地です。意地。

T氏に最後までお金残しておくようにと釘をさされていた私でしたが、案の定お金が足りず何も買えなくなってしまいました(涙)
私(の心の叫び)『いや、この際他の物は後でいいんです。本当にありがとうございました。(謝々)』

STAXの推奨回路ではカップリングコンデンサが0.047uFとなっています。しかし、どうもカップリングコンデンサは低域に極端に影響するらしいとどこかで知ってしまいました。低域を確保するには容量を増やすといいようです。しかし、今回の回路カップリングに10個もフィルムコンデンサが必要です。
GWに入り、別件で秋葉原をうろついていた時、とある有名店でN氏が(音のいい?)LED欲しさに質問しながら部品選びをしていたところ、ひょんな事から店先にない耐圧の高いフィルムコンデンサを安く出して貰えました。0.1uF600V慌ててまとめ買い(といっても20個程度)です。いやーラッキーでした。
でも12AU7のB電圧確保用の抵抗は買ってません。もういいです。パルスなら1000Vでも耐えるらしいし、お金もないので出来た電源をそのまま供給しましょう。

もう、GW初日は呑みに行ってしまいましたが(爆)二日目を利用して半田付け、目の前でN氏も対抗して限定版19AQ5ヘッドフォンアンプの改造を始めてしまいました。半田付け…(中略)居眠り…春日無線さんに行くと宣言していたのを思い出したのが18時。もう遅いので諦めて半田付け…

時間掛かりすぎですよね(笑)でもなんとか完成しました。
コンセントを差す時には、あらかじめ検電ドライバで光るコンセント(ホット)を調べておき、光らない方(コールド)にアンプのアース側がささるようにコンセントを差し込みます。
動作確認
(1)半端な12AX7と12AU7を2本ずつ差しヒーター電圧を確認。よさそうです。
(2)B電圧を確認。出ています。

それでは自作STAXドライバー+SR-003のレビューは…続く

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